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  旅日記 no.283
「日本再生の国家戦略を急げ!」
2010年2月17日
「日本再生の国家戦略を急げ!」こんにちわ。金丸です。
今日は「日本再生の国家戦略を急げ!」の話です。

「民主党政権への緊急提言 日本再生の国家戦略を急げ!」(小学館)が送られれてきた。華々しい政権交替から、いざ民主党の政府の活動が始まると混迷をしはじめた。それはなぜか。掲げられた政策が足元でぶれている。その中身と方向。今後の諸政策の分析が書かれていた。非常に具体的で納得のいくものだった。お薦めである。

著者は、金子勝慶応義塾大学経済学部教授。そして武本俊彦衆議院調査局農林水産調査室主席調査官の共著。二人は高校時代の同級生なのだという。あとがきによると、金子氏が、民主党がこのままではオバマ政権の金融危機の処理の失敗、失業率の増加などの二の舞となりかねないとの危惧から、積極的な政策提言を行うべきと、今回、武本俊彦氏に話をもちかけて緊急出版をしたのだという。

武本俊彦さんには、実は世界の農業情勢と仕組み、今後の流れなどをレクチャーをうけた。知り合ったのは、山口義行立教大学経済学部教授の自主的な勉強会「J-WAY」でのことである。ゲストが山田正彦衆議院議員のときである。山田さんは、現在、民主党の農林水産副大臣。山田さんが勉強会に連れてきたのが武本さんだった。民主党が政権をとる前である。山田さんは、武本さんを、農業政策のことで、いろいろと教わっていると、紹介をした。

興味をひいたのが控えめに座っていた武本さんの山田さんの質問を受けての農業情勢のフォローであった。じつは衆議院であらゆる国の農業情勢の調査や交渉のシュミレーションなどを行っている専門の調査官。ウルグアイランド交渉やBSE問題など現場に関わった方だというのは、この本で初めて知った。どうりで世界の農業情勢に詳しいはずである。

先般出版をしたNHK生活人新書「田舎力」を出す前に、武本さんに会って、世界の農業情勢をおしえていただいた。そのおかげで、日本のポジションと、今後の行方がおぼろげながら見えた。

今回の著作では、民主党のマニフェストをもう一度検証し、実際の政権をとってからの政策決定と具体策の方向性。矛盾点、改正点、のぞむべき方向が述べられている。はっきりしているのは、これまでの自民党がすすめてきた企業の利益と、地域の権益を優先してきた政策はすでに道を失っているということだ。

農林水産の政策、エネルギー政策、地域政策などの具体的なプランが描かれている。例えば「子ども手当」。これは、たんに目先の手当てではなく、将来の日本の子供たちを育てないと将来の経済を支える者がいなくなる、そのためのものであること。そして女性が安心して社会で働けるようにするためのものであること。であれば、育児や保育、教育、医療手当もふくめて、具体的な対応策をしめさないといけない、といった具合だ。

農業では、「個別所得補償制度」「環境と安全な農業の転換」「農山漁村の6次産業化」が示されていること。これまでの自民党政権と違い規模拡大効率化路線から、多様な取り組みに変化し、生産、加工、販売、サービス、バイオマスなどを融合させた政策に転換することである。

現在、農産物は肥料、原油高騰で生産費が圧迫されている。またリーマンショック以降、デフレ傾向が強まり、消費購買力が低下し生産物価格が下落している。農家は高齢化で生産がおぼつかなくなっている。そこで政府手当と同時に、6次産業化で、地域経済に繋がる付加価値を生みだし、また持続可能な、エネルギーや、有機農業などの、複合体を目指す必要がある、といった具合である。示唆にとむ内容で、地域づくりに欠かせない本といえる。

■コウノトリを戻した田んぼのお米のワークショップを開催

「コウノトリを復活させた豊岡市のおいしいお米をいただく」
    健康な食事は環境にもやさしい

開催日 平成22年3月15日(月)15:00〜18:00
場所 先端ナレッジフィールドUDXマルチスペース
(東京フードシアター5+1)
  JR山手線、JR総武線秋葉原駅徒歩2分
・参加費  無料
・定員 50名
・申し込み締め切り:3月10日
http://www.icic.jp/workshop/cat/o/000299.html(申し込み用紙)

環境の取り組み:豊岡市
料理:馬場香織さん。
栄養バランスのアドバイス:こばたてるみさん。

金丸弘美(食環境ジャーナリスト・食総合プロデューサー)
 ◎総務省 地域力創造アドバイザー
 http://www.soumu.go.jp/ganbaru/jinzai/pdf/b022.pdf
 ◎内閣官房地域活性化応援隊地域活性化伝道師
 http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/tiiki/070415meibo.pdf
 ◎メールマガジンhttp://cgi.kapu.biglobe.ne.jp/m/9697.html
 ◎ホームページhttp://www.banraisya.co.jp/kanamaru/home/index.php