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  旅日記 no.280
「秋津野ミカン加工プロジェクト」
2010年2月3日
「秋津野ミカン加工プロジェクト」こんにちわ。金丸です。
今日は「秋津野ミカン加工プロジェクト」の話です。

和歌山県田辺市秋津野の直売所「きてら」と小学校の廃校使った農家レストラン「みかん畑」のことは前にも紹介した。そのメンバーに素敵な庭先でパンが焼ける焼き窯がありケーキやパイなどができるとミカンが広がるかも、と提案したら「それがやりたかった」と前向きな話となり、アドバイザーとして横浜の櫛澤電機(パン屋さんよろず相談室)の澤畠光弘さんとパンのアドバイザーの加藤晃さんとで、再び「きてら」にむかった。
http://www.kiteraga.com/(きてら)

メンバーは、今回のコーディネーター「まちむら機構」の森岡亜紀さん、食アドバイザー村上由紀さん、それに私と澤畠さんと加藤さんの総勢5名。澤畠さんには、パン工房を創るとなるとどういう設備と資金が必要かアドバイスをしてもらうのと、加藤さんには、実際にパンを焼いてもらい、ミカンでどんなものができるか、試食会をしようと言うもの。
http://www.kiteraga.com/(まちむら機構)

現地について農家レストランの食事を快晴の空の下、廃校になった小学校の庭でした。澤畠さんが「いいなあ。時間わすれちゃう」と絶賛。午後には、教室を使っての試食会が始まった。まずは、全国の事例を僕がパワーポイントで解説。それから澤畠さんがパン窯を設置した事例を紹介した。
http://www.kusizawa.com/(櫛澤電機・パン屋さんよろず相談室)

このあとが試食会。まずは加藤さんからで、この日のために、12月から試作を繰り返し、先に送付したものと、持参したもの、その日に作ったものと、なんと4つのテーブルに出てきたのが30種類あまり。まず数の多さと彩りの豊かさで、みなさんびっくりである。

ミカンの皮を使ったフィリング、餡、マフィン、クレープ、カンパニュ、バケット、ラスク、あんぱん、クリームパン、シュークリーム、スコーン、まんじゅう、サブレ、ミカンの天然酵母など。

とくに評判がよかったのがミカンの種類の違う皮を使ったフィリング。マーマレードとジャムの中間くらいと考えていいだろう。これが香りよく、個性がきわだち、酸味も苦味もあり、パンに塗ったり、餡にしたりと応用範囲がきわめて広そうだ。それとシュークリーム。ミカンの色合いが出て、香り、味わいが十分に効いて、かつ爽やかで美味しい。

番外で評判だったのが地元の高菜を使った「高菜ごはん」。さっそくメニューに取り入れたいと意見がでた。加藤さんには女性陣から加工にあたってのポイントややり方など質問がたくさん出た。

村上さんは特性のミカンジュースを用いたドレッシングとソースを持参し、直売所の野菜を使っての温野菜をカラフルに飾った。こちらも素材が生きて、かつミカンが新しい用途として生まれ変わり、レストランでさっそく使ってみたいと評判だった。

この日、夜は市内に出て懇親会。みなさん前向きで盛り上がり、ぜひ実現しようという話となった。この日、学校の前の「農のある宿舎」に宿泊。一夜明けて、代表取締役副社長の玉井常貴さんと、専務取締の木村則夫さんと、これまでのいきさつを聞き、それから具体的なパン窯設置と技術指導について細かい詰めを行った。

時間がたっぷりあったので、せっかくだからと、南方熊楠が住まいとしていたという「南方熊楠顕彰館」を訪ねる。住まいや暮らしや研究のいったんに触れて感慨ふかかった。
http://www.minakata.org/(南方熊楠顕彰館)

そのあと白浜良温泉でひと風呂あびから帰ろうと意気投合。浜の風景が見える地元の人が利用しているという温泉につかりに。湯をあびながら加藤さんと話したら「ミカンと言われて最初はうまくできるか心配だったけれど、これが力が強くて、いろんなものができた。形になるとそうとういいよ」と嬉しい感想。澤畠さんからは「雰囲気もいいし、みんな前向き。お客さんもきているから、やれば絶対成功する」と太鼓判。嬉しい二日間となった。