簡素なる国
出版社講談社
ISBN4062169606
価 格¥1,836(税込)
発行日2011/04/06
著 者中村 敦夫(著)
産業革命から始まった近代は、「無限の経済成長」という旗を掲げ、二〇世紀前半に爆発的な開花を見せました。
しかしながら、その原理の致命的な欠陥ゆえに、その後急激な衰退の道を辿り、今や死の淵に追いつめられた。
私はこの状況を、人類を閉じ込めている「四面の壁」と表現し、四つのテーマを取り上げて説明しました。

…それにしても、この危機からどう説出するか?私の答えは「貪欲と競争」から「少欲知足」への価値観の転換、「グローバリズム」から「ローカリズム」への社会システムの転換です(「始業チャイム」より)。

時代と個人史
戦乱の拡大
環境破壊
人口爆発
近代経済の崩壊
日本の権力
政界の実情
スモール・イズ・ビューティフル
仏教とエコロジー
みどりの政治思想
南方熊楠の生き方
究極の幸福とは
食は地産地消
自然エネルギー

「産業革命から始まった近代は、『無限の経済成長』という旗を掲げ、20世紀に爆発的な開花を見せました。しかしながら、その原理の致命的な欠陥ゆえに、その後急激な衰退の道を辿り、今や死の淵に追い詰められた」(本文より)と語る著者が、地球規模的視野から閉塞した日本の現状打破を提案する。

1940年、東京都生まれ。東京外国語大学を中退し俳優座に入団。65年、ハワイ大学に留学しアメリカを見聞する。72年より主演したテレビドラマ『木枯し紋次郎』が空前のブームに。八三年、『チェンマイの首』(講談社)で小説家としてデビュー。84年、日本初の本格的情報番組『地球発22時』のキャスターに起用され、海外数十ヵ国を取材して国際的視野を持つようになる。98年、参議院議員となり、ついで『さきがけ』代表に就任。2002年に党名を『みどりの会議』に変え、環境問題や農林水産業の復権に取り組む。07から09年にかけて同志社大学大学院・総合政策科学研究科講師として環境社会学を講義。現在、日本ペンクラブ理事兼環境委員長。著書に『ごみを喰う男』(徳間書店)、『暴風地帯』(角川書店)他多数。