えんや!―曳山が見た唐津
出版社無明舎出版
ISBN4895443167
価 格¥1,728(税込)
発行日2002/10
著 者金丸 弘美(著)
「唐津くんち」は五穀豊穣を祝う秋祭り。
華麗な山車とともに各家庭でつくられる「くんち」料理はスローフードとしても高い評価を得ている。『佐賀新聞』に好評連載のルポを単行本化。

佐賀の秋祭り唐津くんちの料理や職人などを紹介 佐賀県の秋祭り唐津くんちは華麗な14台の漆の曳山が見事だ。江戸末期から明治初期に造られた曳山は、長い歴史のなかで唐津の暮らしぶりを見てきたのだろう。
 そんな視点で、各家庭の料理や器、戦前の唐津の町並み、300店もでる露店の仕切り方、神社の御神輿と早朝の獅子舞、曳山を塗り替える福岡県の伝統工芸職人など、3年ががかりで、約60名のインタビュー、写真71点で告ャしたのが、このルポです。

 唐津くんちでは初めてというエピソードも多く登場します。

 例えば、京都で染めるという羽二重の法被職人の話、やはり京都で作成される太鼓職人の音作り、大分県日田市の半纏の職人の染めの様子。
 唐津の人の暮らしや、戦前の町の様子、もう失われた商店街の暮らし、おかあさんの自慢料理、そして祭りを裏から支える日本の伝統工芸の職人の心意気など、唐津くんちを多面的にとらえながら紹介しました。

 なかでも、もっとも楽しいのは各家庭の豪華な料理です。あらの姿煮、ツガニ、卵とじ、鯛の南蛮漬け、刺身など。どの家でも50人から100人以上の料理を作ってもてなします。盛りつけは有田の大皿や鉢。受け継がれた器や重箱、昔の祭りの様子など、各家に眠っていたセピア色の写真に閉じこめられた祭りの様子や、料理の方法、これは町の宝探しでもあります